真空管採血の主な手順
真空管採血の場合だと、スピッツを入れる主な手順としては生化学、凝固血沈、血算、血糖、その他の順となります。ポイントとして凝固は最初と最後には向いていないことも合わせて覚えておきましょう。このような流れになる理由としては、穿刺の直後は損傷によって混ざる組織液が凝固しやすくなっているためです。 これにより長時間駆血することで最後の方になるほど血液の勢いや組織液が混入するスピードが弱まるため血小板や白血球が凝集しやすい状態となっていくのです。
生化学については血清を使用して調べるのですが、中に血清を分離させる役割をもつ凝固促進剤を含んでおり凝固しても問題無いため、1本目に使われることが多いようです。また凝固のスピッツについては抗凝固剤に対して一定量の血液が必要となるため、血液の不足を避けるためにも2本目の使用が望ましいでしょう。一般的にはこの流れで行われていますが、決してこれらに根拠があるわけではありません。病院によっては独自の手順を定めているところもあるため一概には言えないのです。また小児の場合は凝固しやすくなっているので血算を優先するところもあります。
シリンジ採血の主な手順
シリンジ採血の場合は凝固のスピッツを最初に使用します。順序としては凝固、血算、血糖、生科学となります。この採血方法では最初と最後の区別が分からないため、凝固しないよう最初に使用する必要があります。注意すべき点としては分注する際の溶血です。万が一気泡が混入すると溶血してしまいあらゆる数値に影響を与えてしまいます。溶血の混入を防ぐための方法として採血中はシリンジの筒を強く引かないこと、そしてシリンジ内に残った血液をスピッツに入れないことです。
採血の際はクレンチングしない
採血をする際に拳を握ってもらうのですが、この時に血管を怒張させるために手をグーパーしてもらう場合があります。これをクレンチングと呼ぶのですが、このクレンチングという動きはあまりおすすめされていません。このクレンチングの動作により筋収縮することでカリウムが漏出してしまい、検査結果で数値が高くなってしまうためです。もしも血管が探しづらい場合は暖めたタオルや温湿布などを使い手を温めるとよいでしょう。もしもこのような処置を行っても探せない場合はやむを得ずクレンチングしてもらう場合があります。